皆様には、平素より高松信用金庫をご愛顧いただき、厚く御礼申し上げます。
昨年は、英国のEU離脱問題や米国の新大統領就任等、世界の政治情勢が大きく変化した年でした。わが国では、日本銀行がマイナス金利政策を導入してから1年余りが経過しました。金融機関間の貸出・金利競合に拍車がかかっており、金融機関を取り巻く環境は一段と厳しさを増しています。こうしたなか、平成28年9月に金融庁から「金融仲介機能のベンチマーク」が公表され、金融機関はベンチマークへの積極的な取組みを通じて金融仲介機能の質を高め、お取引先の皆様の成長力強化や生産性向上などを実現していくことが求められております。
もとより、こうした「顧客本位の良質な金融サービスを提供することで、結果として、金融機関自身も安定した顧客基盤と収益を確保する」という基本理念は、信用金庫が従来から堅持してきたものであり、「地域密着型金融」のビジネスモデルそのものです。金融機関間の競合が厳しさを増すほど、私たちは従来からの強み、すなわち「信用金庫の独自性」に一層磨きをかけていく必要があると考えています。
当金庫も、信用金庫のネットワークを活かしたビジネスマッチングや年金旅行の誘致等に積極的に取組んでいます。年金旅行では、この数年間で全国の信用金庫から、のべ2万7千人ものお客様をお迎えしており、香川県における交流人口の増加に大いに貢献しています。昨年は、全国で「たかしん」として親しまれる5つの信用金庫の間で地域活性化にむけた連携協定「たかしん5」を締結致しました。
地元企業への貢献という面では、事業性融資だけでなく、従業員の方への福利厚生の充実を図ることを目的に「職域サポート契約」の締結を推進しています。また、創業支援、特に地域で頑張る女性を応援するために開催した「Sanuki womanキャリスタ塾」は、マスコミで大きく報道されるなど各方面から注目されています。
さらに、従来より当金庫のお客様へ学校諸費の口座振替を手数料無料で行い、高い評価をいただいておりますが、これに加え、昨年10月には「キッズクラブ」を発足させました。地元の子どもたちに対する金融教育のほか、様々な職場体験・見学会などを通じて香川県の産業や働く場、自然環境等の魅力を再発見していただきたいと考えております。
これからもこうした「信用金庫の独自性」を発揮することにより、地元香川県の元気づくり、「地方創生」に貢献し続けていく所存です。今後とも変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
平成29年5月